バッテリー

バッテリー (角川文庫)

バッテリー (角川文庫)


なんか結構前から有名だったらしいんですが、最近買って、そして見事にはまりましたよバッテリー。こんな児童小説、子供の読ませておくのはもったいないわ。文庫で出てる三冊を一気に読みました。
話は天才的なピッチャーが主人公で、転校して中学生になるところから始まるんですが。子供を全然馬鹿にしてない。子供に対して変な幻想も抱いていない。しっかりと個人として描かれるキャラクターが心地いい。野球ものだけど、青春だとか連帯感だとか、そーいうおきまりの感動パターンをことごとく毛嫌いしながら、現実的に人間関係を描いていきます。そして、それでもスポーツものには必須の対決シーンではワクワクするんですよ。すげーなこれ。
リアルに純粋なんですよ。そして単純に解決しないんですよ。天才故の悩みとかがもう、俺は天才じゃないけどなぜかわかる。それに反抗していく奴らの気持ちも、おろおろする母親の気持ちも、ちゃんと書かれていて、それがぜんぶリアルに染みてきて。
ハードカバーの児童書では6巻で完結してるんですが。角川文庫になるときに、かなり加筆修正されてるんで、文庫になるまでまたないといけないのがつらい。まじでつらい。