既成事実の積み重ね

米3大テレビネットワークの1つであるNBC Universalが、Apple ComputerのiTunes Music StoreiTMS)を使ってテレビ番組を配信することになった。両社が米国時間6日に語ったところによると、NBCはiPodやPC向けに10以上の番組を提供するという。


じわりじわりとですがiTunesでのビデオ配信が動いているようです。このじわりじわりが恐ろしい。
思えばiTunesのバージョン1が出たとき、CDを取り込んで聴くのが浸透してきたところにAppleらしいインターフェイスのプレイヤーが出たなぁくらいにしか考えてませんでした。それでも便利、というか楽だったので曲をどんどん放り込み、まぁCD入れ替えるの面倒だからパソコンで音楽聴くのに慣れてきたなぁと思った頃にiPodが登場しやがったのでした。
やられた、と思いましたよね。iPodを使うための下地はすでに自分のマシンに整っている。ハードルは可能な限り下げられている。うまいもんだと。
ということはですよ。当然映像にも同じことが言えるんじゃないだろうか。今着々と映像がiTunesに取り込まれていってますよ。それはまだiPodで見れるくらいの小さな映像だけど、iTunesに映像を登録するという作業を繰り返す、またそれをニュースサイトが着々と伝えることによって、iTunesは映像をデータベース化するソフトだという認識がゆっくりと深く浸透しているわけです。それから回線や機器の進化を待って、映像を大きくするなり新たなiPodを投入するなりすればいい。
既成事実の積み重ねによって、窓口を抱え込む。仕掛けたのはAppleだけど、選んだのはユーザーであり、慣れは深く浸透している。んー、安泰だ。
一人勝ちという状況は切磋琢磨しないからユーザーに不利益だという考え方もあるんですけど、例えば役所とかで思うように、窓口は一個の方が楽だというのもあるわけです。いろんなものを使いたいわけではなく、もっとも自分にとって便利なものを使いたいだけなのが少数のマニアではない多数のユーザーですから。同レベルのものが複数あって選べるのが幸せですが、Appleがダントツだとすれば、一人勝ちのAppleが悪いのではなく、他のメーカーが不甲斐ないだけなのでしょう。
さて、音楽と映像の独占コントロールタワーになりつつあるiTunesの牙城を崩せるサービスはあるんでしょうかね。あったほうが面白いんですけどね。