『男は旗』は面白い

男は旗 (光文社文庫)

男は旗 (光文社文庫)


現在読書中『男は旗』が面白い。海洋冒険ロマンというやつです。屈強なハードボイルド系の船長と、奇抜なプロフェッショナルたちが宝探しに向かうらしい。らしい、というのは、まだ仲間が集まっている段階だからです。前半で仲間が集まるのと、悪役による不穏な空気が描かれ、後半で冒険という構成ですね。
始まりの舞台は日本です。ホテルとして運営されている大きめの客船がありまして、そこに機械小僧だの遭難した屈強な銛打ち男だのが流れ着き、主人公の船長に拾われて働き始めます。そこに、船が買収されかけている話だとか、船長が持っている地図を狙う悪人だとかが絡んでくる。それらが船長の飼っているコクマルガラスの語り口で描かれるわけですが、その仕掛けもまた面白い。
面白い冒険小説というのはなかなかないですからね。これはかなりおすすめかもしれません。まだ全部読んでないので決めつけるのも危険ですけど。
ただ、もったいないのはタイトルです。『男は旗』なんてタイトルは、ねじり鉢巻してふんどし一丁の漁師みたいじゃないですか。もったいない。全部読めば納得できるのかもしれませんが、第一印象は最悪です。本に関してチェックしているブログの人が稲見一良をお進めしているので読めましたが、本屋で見つけただけでは手に取らなかったかもしれません。
とにかく、続きが読みたいですわ。