9坪の無限

9坪の家ISBN:4331507386
9坪ハウスという家の形態がある。その名のとおり9坪で建てられる大胆というか思い切りのいいコンパクトな家だ。そのムーブメントのきっかけとなった著者の実体験が書かれた本。
暮らしというもののコンパクト、つまり必要十分にして最小限というものを考えている僕にとって、初めて「家を建てるというのもアリだなぁ」と思わせてくれた本である。著者の家や暮らしに対する考え方は、とてもシンプルである意味先進的だ。そこが僕の理想ととても合致する。家を含む周囲の環境を、そこに住む人や通る人まで含めて受け入れて、生活の充実にしていくというのは、とても豊かですばらしい。
そういえば僕の実家は父親が設計をしている。僕も、自分に合わせた、自分たちに合わせた家というのが理想だ。大金で買った家にあわせて自分たちの生活を変えなければいけないというのは、なんと窮屈なことだろう。要は物理的な広さではない、数値で表せるものに満足度の要素は入っていない。豪邸というものをうらやましいと思うのは、その金額であって住みたいと思ったことはない。でも9坪ハウスには住んでみたいと思った。そこは常に自分に必要十分にして最小限というものを考えさせてくれる最高の人生のためのスペースだと思うのだ。
◎デザイン住宅 9坪ハウスhttp://www.9tubohouse.com/