立ち上がりの速さにビビる

●すぐそこにあるファイル
MacやWindowsでは(他のOS触ったことない)、まずOSがカリカリカリカリと立ち上がり、アプリを立ち上げ、ファイルが開く。
Palmの場合、ファイルを開いたまま電源をOFFにしていたなら、いきなりファイルが開いた状態からはじめることも可能。4つ並んだボタンにアプリをセットしておけば、それを押すだけでそのアプリが立ち上がる。
開いたファイルはアプリごとに記憶されていて、閉じたときの状態のまま開いてくれたりする。(もちろん、スケジューラーなどはその日のページを開く。)そう、起動時間が短いのではなく、まったく無いのだ。そらそうだ、ページ開いて文字が浮かんでくるまで待たなきゃいけない手帳などあるわきゃない。
情報端末は、欲しいときに欲しい情報が手に入らなければならない。それは、電源を入れてから目的のファイルを表示するまでの時間が、短ければ短い程いいということだ。それにはマシンの性能とともに、ファイルのある場所や操作方法を記憶しなければならない人間にどれだけ依存しないかも問題になってくる。
僕はVisor Deluxeを買ったその日に使えた。入力してあるデータが、どうすればすぐに取りだせるのかが、いきなり知っているかのように解った。これは僕の理解力がすごいわけではなく、基本システムの設計が素晴らしいからだと思う。


●道は迷わず1本道で
MacやWindowsと違い、ファイルを選ぶと対応されたアプリが立ち上がるという機能はない。Palmではまずアプリを立ち上げる。ファイルは、そのファイルを開けるアプリ内でしか表示されないし、OSの基本画面にはアプリしか表示されていないのだ。同じファイルを扱えるアプリが複数あっても大丈夫。それぞれで開くことが可能だ。
これは表示領域が小さいPDAならではのインターフェイスで、ファイルやアプリが混在してとっちらかることが絶体に無い。さらに、そのアプリで開けるファイルは、ぜったいにそのアプリのオープン画面の中にある。なければ本体のどこにもないということである。これまたいさぎよく解りやすい。どのみち扱うファイルの種類はそんなに多くはないし、だいいちこのモニタのサイズでデスクトップパソコンと同じことをやれるわけがないし、やる必要もない。その潔さが解りやすさにつながっていると思う。土地がせまいのに道ばっかり増やしても意味はない。マシンの性能的にはOKでも人間がついていけない。


●軽くてわかりやすいということ
僕は日常的に使うアプリはボタンに登録してあるので、電源が切れた状態から、ボタンを押してアプリを立ち上げ、大抵はそのアプリで使いたいファイルは開いたままなのでもう見えているという、見たいファイルまで1秒かかるわけがないだろコノヤロウ、という生活をしている。便利すぎてどうしよう。
ちなみに、OSが軽すぎて起動していることが印象に残らないほどというのは、他のOSも見習うべきだと思う。前々から、これだけマシンの性能やプログラムの技術が上がっているのに一向に起動時間が縮まらないのはおかしいと思っていた。僕はOSなんてどうでもいいのだ。アプリを使って作業がしたいのである。それをもっとも邪魔しているのは、新機能の付けすぎで重たく不安定なOSだと思う。機能は付けたいやつが付ければいいのだ。
Visor Deluxeを買って、あらてめてそう思った。