日常的に使うアプリ DOC編

●長文テキストの強い味方
僕がPalmで一番やりたかったこと。それはテキストをデジタルのまま持ち運ぶ事である。Palmに標準でついてくるメモ帳は読むにも書くにももってこいの、まさにシンプルイズベストなアプリではあるのだが、欠点が1つある。それは、1ページあたり4KBしか表示できないのである。これはこれで、無駄に長いメモを書いてどこに何があるのかわからないということを防ぐのにはとても役立つ。メモ帳としてはまったく正しい。しかし、たとえばこのコラム、2つ合わせればとっくに4KBは超えてしまう。まとまったテキストを読みたい場合には使えない。
そこで登場するのがDOCというフォーマットである。要は4KB以上のテキストを扱えるだけなのだが、4KB以上のテキストファイルを扱いたいのだから十分だ。
手順は簡単である。まずお気に入りのテキストを用意し、それを専用アプリでDOC形式に変換する。そして「Palmファイルのインストール」に入れ、HotSync。これでDOCになった長いテキストはVisor Deluxeの中に取り込まれる。
Visor Deluxeでデジタルテキストを読むのは想像していた以上に快適だ。デスクトップマシンで読んでいたころは、どしんとかまえたモニタに人間が合わせなくてはならなかった。しかしVisor Deluxeのようなハンディマシンであれば、寝ながらでも読めるし寝返りもうてる。僕はベッドに寝ながら本を読んだりすると、読み終わったころには頭と足が逆の位置にあったりするくらい動くので、体勢を固定しながらの長時間の読書は拷問に近いのだ。


●DOCを読むためのアプリ
忘れてはいけないのは、そのDOC形式のテキストを読むアプリである(DOC形式のテキストを書いたり編集したりするアプリもあるが、僕が使わないので省略する)。日本一有名なDOCリーダーにJ-DOC Readerというのがある。simple-palm (http://simple-palm.com/)でダウンロードできる。基本的にこれさえあれば問題ない。
DOC形式をちょっと便利にしたものに、Me-DOC形式というものがある。これは、要所要所に見出しを付けておき、Me-DOC形式に対応したアプリを使えば見出しごとに飛べるようにしてしまえるという形式である。基本的にはDOCなので、Me-DOC形式に対応していないアプリでも読むことは可能だ。もちろん、Me-DOC形式に対応したアプリで普通のDOC形式のファイルも読めるので、結局のところMe-DOC形式に対応したアプリを使えば全て読めるのである。ただ、短いDOCファイルをサクサクと読むのなら、シンプルで、かつ読み終えたままスクロールすると次のDOCが開き、ハードボタン一つでファイルを消せるJ-DOC Readerのほうが便利である。
さて、Me-DOC形式に対応したリーダー。僕はPooKというアプリを使っている。これが僕のVisor Deluxeで1番使われているアプリである。ARCHITUMP (http://www.architump.com/)でダウンロードできる。ファイルをカテゴリ分けして整理できたり、気になる部分に印を付けて後でそこに飛ぶこともできたりと、かなり多機能である。行間も調節できるので、テキストがとても読みやすい。また、読みかけたテキストを閉じても、その位置を全てのファイル分記憶しているので、別のテキストを開いた後にまた同じテキストの続きを読むこともできる。まさに至れり尽くせりである。そんなPooKを僕が使うきっかけとなったのは、数あるDOCリーダーの中で唯一右上に時計が常に表示されていることであった。一見たいした機能ではなさそうだが、電車に乗りながら読んだりしていると地味に便利なのである。


●DOCファイルを作るためのアプリ
Palm上でDOCファイルの編集をするアプリは省略したが、パソコン上でテキストをDOCファイルに変換するアプリについては紹介しておかなければいけないだろう。ちなみに、僕がMac使いなのでMacのアプリしか紹介できない。Windows使っている人はhttp://www.muchy.com/review/docapp.htmlにいろいろあるのでそちらで。
僕が、というよりMacとPalmをつなげている人には常識なのかも知れないが、おすすめするのはMakeDocDDというアプリだ。使い方は単純明快で、テキストファイルをドラッグ&ドロップすればDOCファイルを吐き出してくれるものである。積読庵乱れ撃ち大福帳 (http://www.pluto.dti.ne.jp/~yoz/)でダウンロードできる。
僕が普段DOCを作るのに使っているのはWebNovelConverterというアプリである。テキストの整形ができたりMe-DOCファイルを作れたりと便利なのだが、面倒くさいのでMakeDocDDを使うことも多々ある。僕には実際のところMe-DOCを必要とする機会はほとんどない。だから結局僕にとってDOCファイルを作るアプリはどっちでもいいのだ。いっそMakeDocDDのほうが操作も少なく楽なので、そっちのほうがいいのかも知れない。ただ、なぜ僕がWebNovelConverterを使っているのかというと、吐き出されたDOCファイルのMac上でのアイコンが格好いいからである。そんなもんである。


●まずは気軽に読めるものから
肝心の読むものだが、いきなり小説から入るよりも対談やエッセイなどのほうが気軽に読めるので、そういったものから入ったほうがすんなりとPalmで読書ができるようになる。新聞や雑誌などが記事をそのままのせているWebサイトもたくさんあるので、毎日そこのテキストをもってくるのもいいだろう(指定したサイトから自動的にダウンロードしてDOCに変換までしてくれるアプリもあるが、僕が使っていないので紹介は省略)。とにかく、自分が興味のあるテキストを読むことが先決である。新しいマシンを買ったのが嬉しいばかりに興味の薄いテキストを読んでしまうと、テキストが面白くないという感情に引き込まれてPalmでテキストを読むのが面白くないということになってしまうので要注意なのだ。小さめのモニタなど特殊な環境での読書には、多少の慣れが必要なのである。慣れてしまえば、後はデジタルテキストをモニタにしばられることなく自由な体勢で読める楽しさを存分に味わって欲しい。
僕が読んで面白かったテキストは別ページで紹介しているので、暇があれば見てやって欲しい。